4. あ~っ、難しい! もっと優しい本はないのか。


 一通り読みました...。ハァ?と、ため息が出てしまいます。

 『流れの科学』 は分かりやすいのですが、『一般気象学』 は、何回か読まないと理解できない箇所が数多くあります。 そもそも、天気のことではなく、気象学を 学ぶために教科書的に作ってあるので、理論から説明されていて、頭の中で実際の経験や天気図などとすんなりと結びつきません。

 そこで、もっと天気図が多く掲載されていて、初心者にも分かりやすい書籍を探すことにしました。
 候補は、これ。


    『図解早わかり お天気ブック』  馬場 邦彦 著


 めちゃくちゃ分かりやすいです。
 というよりも、こんな小学生向けのような本で役に立つの?! という感じです。

 ただ、分かりやすい絵と簡潔な説明文があり、気象現象については一通り説明されています。 副題があり、『お天気のことがスッキリわかる』との事ですが、本当に私はスッキリしました。

 もちろん、A5サイズで、158ページしかない薄い本ですから、気象予報士の勉強に必要な知識を全て網羅している訳ではありません。 けれども、本当に最低の最低限の、必要な知識は記載されていますし、なにより説明がシンプルなので、あっと言う間に全ページ読み切ってしまいます。 読みやすいので、もう一回読み返すのも 苦になりません。 そうこうしているうちに、3回は読み返したでしょうか。

 すると、気象現象の全体像が、ぼんやりと頭の中に構築されます。 これがポイントです。 気象学は、現象の知見や天気図の読み方など実際の経験から、物 理や数学などの机上の理論、気象現象の理解など、幅が広く、学ぶ際の敷居の高さにも大きな差があります。 ですから、まず全体像の構築という作業がとても 大切になるのです。

 昔の方々は、学校で天気図の読み方やラジオで作図の方法を学び、放課後は屋外で空を見上げながら遊び、と気象と密接な生活を送ってきましたから、その辺 りの総合的な知識と経験には事欠きません。 ところが、若い年代はその辺が全くないのです。 ですから、まず最初に簡単な本で全体像を構築するのは、とても有益なことだと思います。

 私は、この本で 『ちょっと開眼した』 気持ちになりました。まさに 『目からウロコ』 です。

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『図解早わかりお天気ブック』
B6より一回り大きく、158ページという薄い本です。中学生ぐらいがちょうど読みやすい内容だと思いますが、 天気のしくみを俯瞰して学ぶには良い教材です。
気象学は幅広く、今自分がどの辺りを勉強しているのか分からなくなります。ですから、まずこの本で気象学の全体像を把握してから次の教本へステップアップすると、理解が早まると思います。
残念なのは、内容の割に価格が高いこと。

『最新 天気予報の技術―気象予報士をめざす人に』
副題に「気象予報士を目指す人に」とあるように、気象予報士試験を意識して作られた教材です。
基本的な物理から気象物理、実技、法規まで一応網羅されています。が、一方で一冊ですべてをカバーするのは無理なため、実技は内容が薄く、まとまり切れていません。 そのため、試験に応用問題がでると対応しきれないと思われます。

『一般気象学』(第2版)
東京大学出版会から出版された東京大学の一般教養の教科書、だそうです。内容は難しい数式や物理などが出てきますが、 すごく論理的に系統的にまとめられています。気象予報士を目指す方のバイブルと言われたりもします。とても良く まとまった素晴らしい本だとは思いますが、初めて予報士を目指す方は別の、もっと分かりやすい本から始めましょう。 そして、この本を読まなくても気象予報士には合格します。 この本はバイブルであって、分かりやすい解説書ではありません。 でも、予報士になったらぜひ手元に置いておきたい一冊です。

『百万人の天気教室』
この本も良書と言われています。早わかりブックの次に読み始めるといいでしょう。理解しやすい表現ですが、しっかりポイントは押さえて解説されています。 気象予報士試験を意識してつくられたようで、独学で勉強を始められる方に適しています。

『気象予報士かんたん合格テキスト 〈学科・一般知識編〉』
気象予報士を目指す方が、気象を学ぶのが初めてのときに、最適な本かもしれません。本の目的は明確に気象予報士試験です。 ですから、簡単な分かりやすい表現で物理現象を紹介していますし、簡潔にまとめられています。 逆に、あまり深くは踏み込んでいませんし、語彙の間違いも多く、校正に時間を割いていないようです。 ただ、予報士を目指す方の最初のステップとしては分かりやすく、ページがどんどん進むので、最初の一冊としては良いかもしれません。

『気象科学事典』
気象予報士を目指すなら、何か一つ用語辞典を持っておいた方が良い。
この事典は既に絶版ですが、分かりやすくてとても良い本でした。

『平凡社版 気象の事典』
こちらも私が持ってて役に立った一冊です。上の『気象科学事典』ほど分かりやすくはないのですが、 コンパクトにまとまっているので、どこへでも持ち運びができて、時間のあるときにパラパラめくって 調べものをしました。
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