インフルエンザが流行る条件


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上記はニホン医療設備協会の09年1月号です。クリックするとPDFにリンクします
湿度とインフルエンザなどの室内感染の研究がされています。
以下は抜粋です。

1.通年湿度管理による効果<インフルエンザ>
通年湿度管理の効果について85 年ASHRAE(全米空調学会) 発表の「室内有害物質と相対 湿度の相関」が有名である。これに拠れば年間屋内相対湿度を40~60%RH に保つ事によって感染症、カビ、オゾンの発生等種々の有害物を抑制できるというものである。現在最も
恐れられている問題は感染症であり、特に緊急性があるものとしてインフルエンザウイルスが挙げられる。近年特効薬タミフルの効かない症例が増加しつつある と聞く。また、より強力な変異種の登場も予想されている。湿度管理による効能について1961 年G.J.Haperによって発表された<Survival test with for viruses>と題する論文が有名である。(下図)

図2.相対湿度とインフルエンザウイルス生存率との相関
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この発表によってインフルエンザウイルスは湿度に弱く、対処法として加湿による室内 湿度管理が有効であることが確認された。後年国内においても同種の研究論文が発表されており特にH16 年に発表された庄司医師・秋田県衛生科学研究所などの疫学調査研究(図 3.)は流行因子を温度と捉えると基準とはなりにくい点に着目し、<水蒸気圧=絶対湿度>という空調的な視点から行われており非常に興味深い。流行は温 度、相対湿度より水蒸気圧と逆相関しウイルスの6 時間後の生存率は6mb≒4.2g/kg では50%の生存率が24mb≒16.7g/kg でゼロとなり、地域差はあるものの概ね10g/m3≒8.3g/kg 以上の絶対湿度下では流行が起らないとされている。この現象については冬期間8g/kg の館内湿度管理を液式調湿機を導入して実施中の70 床老人介護施設からも冬期間発症者ゼロとの報告がされており、インフルエンザ予防効果は高そうである。


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図3. `85 年仙台地方のインフルエンザ罹患者数と水蒸気圧の関係



日本におけるインフルエンザの流行予測-温度に左右されない絶対湿度の利用


湿度コントロールがインフルエンザ予防の鍵
インフルエンザウイルスは乾燥(←高湿度?:引用者註)に弱いウイルスです。多くの場合、日本でのインフルエンザの流行は絶対湿度が11g/m3以下に なって始まる。これは空気中に散布されたインフルエンザウイルスが6時間後に5%生存する条件であるという。7g/m3以下で流行する地域(鹿児島、浦 和:ウイルスが6時間後に20%生存する条件)、 5g/m3以下で流行が始まる地域(宮城、北海道:ウイルスが6時間後に50%生存する条件)で流行が始まる地域もあるという。 絶対湿度によるインフルエンザ流行予測(庄司 眞医師考案、仙台市内科医師会)

絶対湿度
11g/m3超●青色インフルエンザの流行しにくい湿度 ※注1)
11g/m3以下●黄色インフルエンザが流行してよい湿度
7g/m3以下●赤色インフルエンザの流行がよりおこりやすい湿度

※注1)この湿度で大きな流行があった場合は、新型、突然変異、地域の免疫度が低いのいずれかが考えられます。
絶対湿度によるインフルエンザ流行予測が宮城県医師会のホームページにあります。
インフルエンザ患者発生のデータから疫学的な研究がなされインフルエンザ流行予測解析が公開されている。

参考HP
http://www23.ocn.ne.jp/~mmic/flu/flu-list.htm
http://blog.goo.ne.jp/ena16cc/e/5e873049bb2d3a21036477cd019a9b2b



家庭でのインフルエンザ対策-湿度の適宜な管理

湿度を50-60%に保つ。湿度計が最低必要です。

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