かまどの煙がたなびけば雨

かまどの煙が外で上空へ昇ってゆかず、ある高さで横へ棚引くようなとき、その後雨になる。という諺です。 通常、かまどからの煙は周囲より暖かくなっているので上昇気流となり、どこまでも高く上ろうとします。 ところがある高さで上昇しなくなり、横へと棚引くようになるのは、その高さより上では空気の温度が煙の温度より高くなり、上昇気流が働かなくなったからです。 これを逆転層といいます。 通常、空気は上空ほど気温が下がります。 このため、煙などの暖かい空気は周りの空気と比べて膨張して軽くなるため上昇気流が働きますが、逆転層では徐々に温度が高くなります。 このため、周囲の温度より煙の温度が低くなった高度で上昇気流が止まり、煙は横へ棚引くようになります。 逆転層は、非常によく晴れて放射冷却が強くなった夜間の翌日の朝にハッキリと現れるので、晴天~雨天の周期では快晴日のピークと考えられます。 それで、今後は下り坂ですよ。 という意味ではないかと思われます。
季節おもしろ事典―倉嶋厚の風のたより』(倉嶋厚著) 生活に身近な気象や風土についての書籍だったら、まず最初に浮かぶのは『倉嶋厚さん』だと思います。 数多くの気象に関する出版物とその分かりやすい語りで、多くのファンを生み出しています。 この本は、読売新聞に掲載されていたコラムを再編集されたものです。 その他、この姉妹図書に、『季節よもやま事典』『季節みちくさ事典』『季節つれずれ事典』があります。
『季節よもやま辞典―倉嶋厚の辞書遊びノート』(倉嶋厚著)
『季節みちくさ事典―倉嶋厚の四季のたより』(倉嶋厚著)
『季節つれづれ事典―倉嶋厚の折々の記』(倉嶋厚著)

『天気予知ことわざ辞典』(大後美保著) 地方に残る天気のことわざを集めた辞典です。幅広く、多くの地域で取材してきたのが伺い知れます。 天気にまつわることわざを集めた書籍では、この本が一番多くのことわざを掲載しているのではないでしょうか。 著者には敬意を表します。ただ、惜しむらくは、似たようなことわざが何度も掲載されたり、現象の説明やことわざの解釈にハテナ?と思うこともしばしばあります。

『ことわざから読み解く天気予報』(南利幸著) 手軽に持ち運びできる新書本です。ことわざの背景にある気象現象を分かりやすく理論的にひも解いています。 ことわざが、単なる迷信やしつけ、言葉遊びなどではなく、背景には現象の経験則があり、物理現象があり、 物理理論で裏付けできることを分かりやすく解説しています。

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