蚊柱立てば雨

夏の夕方、自転車を漕いでいるとふいに小さな虫の大群に襲われることがある。 蚊柱だ。 実際には襲われる訳ではなく、自分が虫の大群の中に入っていくのだが、通り過ぎてから振り返ってみると無数の蚊が群がり、高さ1~2mの柱が宙に浮いているような姿はときに圧巻でさえもある。 実は、この蚊が柱のように集まる習性は、蚊の生殖活動だという。 アカイエカ,コガタアカイエカなどのオスの蚊の集団に数匹のメスの蚊が交尾を求めて集まっている状態だと言う。 蚊の産卵には「水」が必要である。 どうやら、蚊は雨が降りやすい気象条件を本能的に察知しているようである。 気圧の低下傾向や湿度の上昇、風向きなどの微妙な変化を感知しているのであろうか。 二酸化炭素の濃度差を感知して、哺乳類を探し吸血する能力を持つ蚊であるから、そのような能力を持つことも否定できないであろう。 もちろん、常に水溜りがふんだんにある湿地帯や水田地域などでは毎日のように見ることができる現象であるので、この諺はあてはまらない。
季節おもしろ事典―倉嶋厚の風のたより』(倉嶋厚著) 生活に身近な気象や風土についての書籍だったら、まず最初に浮かぶのは『倉嶋厚さん』だと思います。 数多くの気象に関する出版物とその分かりやすい語りで、多くのファンを生み出しています。 この本は、読売新聞に掲載されていたコラムを再編集されたものです。 その他、この姉妹図書に、『季節よもやま事典』『季節みちくさ事典』『季節つれずれ事典』があります。
『季節よもやま辞典―倉嶋厚の辞書遊びノート』(倉嶋厚著)
『季節みちくさ事典―倉嶋厚の四季のたより』(倉嶋厚著)
『季節つれづれ事典―倉嶋厚の折々の記』(倉嶋厚著)

『天気予知ことわざ辞典』(大後美保著) 地方に残る天気のことわざを集めた辞典です。幅広く、多くの地域で取材してきたのが伺い知れます。 天気にまつわることわざを集めた書籍では、この本が一番多くのことわざを掲載しているのではないでしょうか。 著者には敬意を表します。ただ、惜しむらくは、似たようなことわざが何度も掲載されたり、現象の説明やことわざの解釈にハテナ?と思うこともしばしばあります。

『ことわざから読み解く天気予報』(南利幸著) 手軽に持ち運びできる新書本です。ことわざの背景にある気象現象を分かりやすく理論的にひも解いています。 ことわざが、単なる迷信やしつけ、言葉遊びなどではなく、背景には現象の経験則があり、物理現象があり、 物理理論で裏付けできることを分かりやすく解説しています。

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