気圧計



(1)で紹介した手作り気圧計よりも、もう少し実用的な気圧計の作り方があります。
ただ、少し材料が入手しにくいかもしれません。

材料/
 ・大きなビン                                 1個
 ・ストロー(ガラス管やアルミ管) ビンの2倍の高さ          1個
 ・穴を空けた栓 (完全にビンと管の隙間がなくなるような素材)   1個
 ・水(色付きの水が好ましい)
 ・白い厚紙                                  1枚

ビンに半分ほど色水を入れます。 栓にストローを2対1、もしくは3対1ぐらいの割合になるように差し込みます。 ストローの長い方がビンの中に入るようにして、ビンに栓をします。 ストローの先端は色水の中に水没するようにします。 水没しなければ、色水を多く入れるか、ストローを深く差し込んでください。

すると、ストローの中の色水は液面と同じ高さになります。 が、ここでガラスビンの中に少し息を吹き込みます。 すると、ガラスビンの中の空気の圧力に押されて、ストローの液面が上昇します。 その高さが栓よりも高くなると記録には便利になるので、がんばって調節してみましょう。

ストローの中の色水が栓よりも高くなったら、その後ろに白い厚紙を貼り付けます。
このストローの中の水面高さが現在の気圧を表しています。

正確な気圧計をもってきて、現在の気圧と目盛りを厚紙に書き込みます。 また次の日、同じように気圧を測って目盛りを記入してゆきます。
これを繰り返して気圧計をつくります。

これも水面からの蒸発が気になるようでしたらストローの中に少量の油をたらしてください。 水の蒸発が抑えられ、同じ気圧なのに水面が低くなるという現象が現れるの遅くなります。

気圧計は、気象現象を知る上でとても重要な測定器です。 特に、天気は気圧を正確に測ることでより正確な予測を立てることができます。 ですから、簡単に正確な気圧計が作れると大変うれしいのですが、残念ながら気圧計は簡単にはつくれません。

でも、夏休みの自由研究に使えるような簡単な気圧計であれば、工夫次第でそれっぽく作ることが出来ます。

まず、実際の気圧計の、最も簡単な仕組みを紹介しましょう。

これは、イタリアのトリチェリという有名な学者の助手、ヴィヴィアーニが1643年に行った実験とされています。

試験管のように片方が開いて、片方が閉じている約1mのガラス管の中に、水銀を満たしてから栓をします。 その栓をした方を水銀の中に沈め、逆さに立ててから栓を空けます。 すると、ガラス管の中の水銀は少し水位が下がりますが、ある高さで止まります。 この高さは下の水面からほぼ76cmで止まります。 この高さが空気の圧力であり、大気圧と呼ばれています。 ですから、1気圧の単位は 760mmHg と表記することもあります。 Hg は化学記号で水銀を意味しています。

それでは 『簡易的な気圧計』 の作り方ですが、水銀の代わりに水を使います。

用意する物/
 ・ガラスビン (できるかぎり細長い物で、ガラスは水面が見える色)   1個
 ・洗面器             1個
 ・食用油             少々
 ・絵の具             少々

形が変わらないように、できるだけ細長いガラスビンを使います。 まず、洗面器に半分ぐらいの高さまで水を入れ、ガラスビンの中にも半分ぐらい水を入れます。 ガラスビンの口を指でフタをして、中の水をこぼさない様に逆さまにして、口を洗面器の中に入れます。 そして、ガラスビンの口の指をそっと離します。

すると、水面が少し下がりますが、ある高さで止まります。

この高さがこのときの気圧です。

このとき、正確な気圧計で測っておき、ガラスビンに目盛りと数字を書き込みます。 そして後日、気圧が上がったとき、または下がったときに正確な気圧計で気圧を測定して、また水面に目盛りと数字を書き込みます。 これを繰り返すと簡易的な気圧計ができあがります。

この方法は、次第に水が蒸発してしまうので、水面に食用油をたらしておくと長持ちします。 油が扱いにくい場合は、毎日蒸発して減った水分を補給してみるのも一つの方法でしょう。

また、水面の高さを見るのに慣れていない小学生は、水に少量の絵の具をたらして色をつけてもいいかもしれません。 もちろん、絵の具が多すぎるとビンの内側に絵の具が付着して逆に見えなくなってしまいます。 ほんとうに、ほんのりと色づく 『わずかな量』 だけです。

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