秋の雨は、移動性低気圧による影響です。 移動性低気圧は中心から南東方向へ温暖前線がのびて、中心から南西方向へは寒冷前線がのびています。 温暖前線とは、北の寒冷な空気に南からの暖かい空気がぶつかっている場所であり、気圧や気温、湿度、風向などが急に変わるため、天気図では線状で表すことができます。 その周辺では暖かい空気が上昇して雨が降ります。 他方、寒冷前線とは、その暖かい空気に北からの寒気がもぐりこむ様な形でぶつかっている場所で、同様に気圧や気温などが急に変化し、天気図で線状に表すことが出来ます。
通常、低気圧の中心が西から北を通過すると、この温暖前線や寒冷前線の影響で雨に見舞われることになりますが、温暖前線では比較的暖かい雨が降り、寒冷前線では比較的冷たい雨となります。
このため、この諺のように、降っている雨が温かい雨から冷たい雨へと変わり、周囲の気温も低くなれば、寒冷前線が通過したということになり、今後次第に雨は止む事が予想できます。
秋雨は涼しくなれば晴れる
季節おもしろ事典―倉嶋厚の風のたより』（倉嶋厚著）
生活に身近な気象や風土についての書籍だったら、まず最初に浮かぶのは『倉嶋厚さん』だと思います。
数多くの気象に関する出版物とその分かりやすい語りで、多くのファンを生み出しています。
この本は、読売新聞に掲載されていたコラムを再編集されたものです。
その他、この姉妹図書に、『季節よもやま事典』『季節みちくさ事典』『季節つれずれ事典』があります。
『季節よもやま辞典―倉嶋厚の辞書遊びノート』（倉嶋厚著）
『季節みちくさ事典―倉嶋厚の四季のたより』（倉嶋厚著）
『季節つれづれ事典―倉嶋厚の折々の記』（倉嶋厚著）
『天気予知ことわざ辞典』（大後美保著）
地方に残る天気のことわざを集めた辞典です。幅広く、多くの地域で取材してきたのが伺い知れます。
天気にまつわることわざを集めた書籍では、この本が一番多くのことわざを掲載しているのではないでしょうか。
著者には敬意を表します。ただ、惜しむらくは、似たようなことわざが何度も掲載されたり、現象の説明やことわざの解釈にハテナ？と思うこともしばしばあります。
『ことわざから読み解く天気予報』（南利幸著）
手軽に持ち運びできる新書本です。ことわざの背景にある気象現象を分かりやすく理論的にひも解いています。
ことわざが、単なる迷信やしつけ、言葉遊びなどではなく、背景には現象の経験則があり、物理現象があり、
物理理論で裏付けできることを分かりやすく解説しています。
